『3人の天下人をも詠む川柳』
鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス
鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス
上記の3つの句は、代表的な川柳になります。
江戸時代末までに詠み人知らずで伝えられていたという川柳です。
戦上手の三英傑、織田信長公、太閤秀吉公、東照大権現徳川家康公の、3人3様の特徴が、ホトトギスを例にとって面白おかしく吹聴された、現代においても誰でも知っているような句です。
川柳の元となった俳諧の連歌が生まれた頃、時代は激変していました。そのような背景により、川柳には、俳諧よりさらに遊戯性の高い軽妙な作品が多かっただけでなく、このように表社会の破綻を皮肉ったり政治的に糾弾したりするような皮肉(アイロニー)の込められた作品も一系統をなすようになっていきました。
江戸時代末期の寛政の改革では、川柳のうち、政(まつりごと)や博打、好色にかかる川柳を検閲し、『誹風柳多留』から削除したといいます。