『サラリーマン川柳』
六大家以降の、特筆される変化としては、サラリーマン川柳など、現代世相の反映と想定され1つの指標として扱われるほどの公募が企業主催によって行われだしたことが挙げられます。
川柳公募のうちの1つサラリーマン川柳は、日本漢字能力検定協会による今年の漢字や、自由国民社の新語・流行語大賞、そして住友生命主催による創作四字熟語や東洋大学の現代学生百人一首と並び称せられ、現代世相の顕れとも受け止められています。
第一生命主催の大規模な公募で、歴代入賞作である数多の川柳は、多くの人々により、思わず納得されたり悲しい事態のはずなのに吹き出させるような自虐感のにじむタッチに苦悩されたりしてきたといっていいでしょう。
このサラリーマン川柳を一例として、企業主催のためテーマに傾向のある川柳が増えて、投句の対策が為されやすくなったのが現代の川柳界における傾向の1つとされます。
1996年に脇屋川柳が15世川柳を退いた際には、16世は輩出されませんでしたが、文芸系出版社の川柳誌や川柳に関する協会や同好会などの活動は盛んで、インターネット上で好きな川柳をどのような人でも発表できる機会がある世の中になりました。
俳句が口語的になってきて、川柳との境が危ぶまれるといったような変化もありましたが、川柳は、社団法人全日本川柳協会などに属し、大会や投句に励む高齢者の娯楽にもなっています。