『句跨り(またがり)』
句跨りとは、句の終わり以外において、意味や文の要素がつづく形式のことです。
例としては、『海暮れて鴨の声ほのかにしろし』という松尾芭蕉の俳句が挙げられるでしょう。
文字数上は、『海暮れて 鴨の声ほの かにしろし』となりますが、意味や文の要素の上からは、もちろん『海暮れて 鴨の声 ほのかにしろし』といった、イレギュラーな3句における文字数のバランスとなります。そのため、なめらかに耳元を通り過ぎながらも、何となくその内容を強調しているような印象を与える効果が発揮される場合もあります。